おいしいハートの歳時記

お月見

9/22

「うさぎ、うさぎ、何見てはねる 十五夜お月さん 見て はねる~♪」

「お月見」というと、この童謡を思い出しませんか? 「十五夜」とは、旧暦の8月15日の満月を指しています。今の暦は太陽暦で太陽の動きを基準にしているので、十五夜の日は毎年、変わりますが、旧暦は、月の満ち欠けを基準にしていたので、毎月15日が満月でした。特に旧暦8月の満月は、一年でも最も明るく美しいとされていました。

今では、「お月見」は「観月」ともいい、月に供え物をして鑑賞するという行事になっていますが、実はお月見も、農業を主として暮らしていた人々にとって、欠かせない行事の1つだったのです。

日本古来の月祭り

お月見うさぎお月見もやはり、日本古来の風習と、中国から入ってきた風習とが混じり合って今に至っています。 最初は日本古来にあった月祭りのお話です。

今、「お月見の日」は「十五夜」と「十三夜」と2回、月を見る日があると伝えられています。また、どちらか一方しか月を見ないのは、「片見月」といって、縁起が悪いものとされています。

歳時記&食育エッセイ~敬老の日

9/20

先日、別の仕事で「手作りそうざいの店」に取材に行った。広島の中心街からそう遠くない場所にあるこの店は、ただの料理好きな主婦だったというYさんが18年前にオープン。以来、変わらず、Yさんと数名の主婦仲間が切り盛りしている。どこか懐かしい佇まい、通りから一段上がったところで立ち止まる。

無意識にレールの位置を確認しながら、少し重たいガラスの引き戸を開ける。ガタガタと鳴り響く扉の音は20年前に亡くなった祖母の家の扉の音を思い出す。タイムスリップしたかのような空間、正面のカウンターには ガラスケース越しに、ありふれた惣菜が並んでいる。

「大して手の込んでないものばかりよ」と言うYさんの笑顔は 目の前に並んでいる惣菜の全てに愛情がこめられていることを確信させる。

こんな手作り惣菜の店の常連客について聞いてみた。最初に返ってきた答えは「近所のお年寄り」。雨の日も風の日も 毎日、ここへ弁当を買いにくるお年寄りが多いそうだ。

最近、高齢者向けのサービスというと、「宅配」と安易に考えてしまいがち。でも、本当はどこか出かける場所を探している。弁当を買うほんの数分間に交わす言葉がどれだけお年寄りを元気にしていることだろう。

お盆

8/15

正式には、「精霊会(しょうりょうえ)」または「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という、先祖の霊を迎え火でお迎えして祀り、また送り火で帰すという先祖供養の行事です。

明治時代の太陽暦の採用で、東京を中心とした関東圏では7月13~16日がお盆となっていますが、この他の地域は、私の住む広島も含めて1ヶ月遅れの8月13~16日をお盆としています。

これには、新暦で7月に行うのは、当時の農家にとっては農繁期にあたり、先祖供養どころではなかったため、農作業がひと段落する時期にずらしたという背景があるようです。

日本古来の風習で、この旧暦8月15日に祖霊を祀る行事がありました。「盂蘭盆会(うらぼんえ)」というのは、元は仏教行事で、先祖供養をする日として仏教伝来と共に日本に入ってきました。

同じ時期に同じく先祖供養をするという行事であったため、次第にこの2つが結びつき、今では仏教色の強いものとなっています。

仏教はインド発祥の宗教です。日本には、インドから中国に伝わったものがさらに中国の道教の影響を受けて、変化したものが伝えられました。盂蘭盆会の行事も、先祖だけでなく、生きている両親の長寿と健康を祝う行事として日本に入ってきました。そこから「生身玉(いきみだま)」「生盆(いきぼん)」という行事が生まれました。

これは、一年間不幸のなかった家や両親が健在な家では、「めでたい盆」として祝います。子供達が食べ物を親許に持参したり、他家に嫁いだ娘が米や小麦粉を実家に持ち帰って、料理し、親に食べさせるなどの習慣があります正月に日頃お世話になった人のところへ感謝として年始回りとするのと同じように、盆礼といって、健在の両親や師を訪問して心のこもった贈り物をするようになりました。これが、今のお中元の習慣に結びついています。

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